熱中症に詳しくなろう!!

2024/08/03

もくじ

1. 熱中症とは

2. 熱中症の4つのタイプと対策方法

3. 効果的な水分補給のしかた

4. 体温の上昇を防ぐためには

5. 練習前の熱中症対策

6. クラブとしての熱中症への対応や対策

7. まとめ

1. 熱中症とは

「熱中症」という言葉は、暑い時に起こりやすい 4つのタイプをまとめたものだということは知っていましたか?
そのため、タイプによって現れる症状が異なります。また、それぞれに適した対策方法もあります。

このコラムを読んで、熱中症の4つの症状や対策方法を理解して、熱中症に詳しくなりましょう!

2. 熱中症の4つのタイプと予防方法

①熱失神

 日の当たる暑い場所にじっと立っていたり、運動した後などに起こります。

 立ったりしていたことにより下肢に血液がたまり、血圧が下がり脳への血流が少なくなることが原因です。
 めまいや失神などの症状がみられます。

 →少しの休憩でも ひかげで休むことや無理な運動を控えることが重要です。

②熱けいれん

 大量に汗をかいて血液中の塩分濃度が低下したときに起こります。

 痛みをともなう筋肉のけいれんがみられます。
 脚など下半身の筋肉だけでなく、腹筋など上半身の筋肉にも起こります。

 →スポーツドリンクを飲んだり、塩分チャージタブレットなどを食べると対策することができます。

③熱疲労

 大量に汗をかいて身体の中の水分が減ったことなどによる循環不全によって起こります。

 脱力感、けんたい感、めまいや頭痛などの症状が見られます。

 →こまめな水分補給が大切です。水よりもスポーツドリンクの方が効果的です。

 ☆4つの症状の中でよくみられる症状です。

④熱射病

 暑さで体温が過度に上昇することによって起こります。

 体温の上昇により脳に異常をきたし、体温調節機能が働かなくなってしまいます。

 意識障害がみられ、呼びかけへの応答が鈍い、言動がおかしいといった状態になってしまいます。
 高体温の状態が続くと、内臓にも大きな負担がかかり死亡率が高くなります。

 →ひかげでの休憩や濡らしたタオルを首に巻くなどして、体温が上がらないような対策をすることが有効です。

 ☆4つの症状の中で最も危険な症状です。

予防方法まとめ

4つの症状への対策方法をお話しましたが、特に意識しておくべきことは

・スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給する。

・ひかげで休憩したり首などを濡らしたりして体温の上昇を防ぐ。

の2つです!

3. 効果的な水分補給のしかた

特に意識するべき対策の一つである「水分補給」。
よく「こまめな水分補給を!」といった言葉を聞きますが、なぜこまめに取る必要があるか知っていますか?

理由は2つあります。

1つ目は、人間が一度に吸収できる水の量は200mⅬ程度であるということです。

200mⅬ程度はおおよそコップ一杯程度の量です。
これ以上の量を一度に飲んだとしても、体にはうまく吸収されずに尿として排出されてしまいます。

せっかく補給した水分を無駄にしないためにも、こまめな水分補給が大切になります。

2つ目は、水分が体に浸透するまでには約20分ほどかかるということです。

水分補給をしたからといって、その水分がすぐに体にいきわたるわけではありません。
よく「のどがかわく前に水分補給をしよう」と言われるのはこのためです。

常に体に水分がある状態をつくるためにも、こまめな水分補給をこころがけましょう。

水分補給をする「量」と水分補給をする「タイミング」との 2つをこまめにすることで、
より効果的な水分補給をすることができます。

4. 体温の上昇を防ぐためには

意識するべき対策の2つ目である「体温の上昇を防ぐこと」は、
4つの症状の中でも最も危険な「熱射病」の対策にも非常に効果的です。

最近では、手持ちの扇風機や首に巻くアイスリングなど、さまざまな熱中症対策グッズがあります。
では、どの方法が体温の上昇を防ぐことに適しているのでしょうか。

体温の上昇の防ぎ方についてまとめられている表を見てみましょう。

これを見ると、頭部・頸部冷却、手掌冷却、水分補給の3つは、
特別な道具を必要としないにも関わらず冷却効果が高いことがわかります。

頭部・頸部冷却と手掌冷却の例としては、

・休憩中などに濡らしたタオルを首や頭にかける。

・休憩中に水道で手や手首、腕を濡らす。

の2つが挙げられます。

どちらもとても簡単に実施できるので、水分補給と合わせて実施してみましょう!

5. 練習前の熱中症対策

ここまでは、練習中の熱中症対策について話してきました。
練習中の対策はもちろん重要ですが、練習前にできる対策もあります。

それは、体調チェックです。

練習などで体に疲れが残っていたり睡眠不足の状態だったりすると、体の体温調節機能がうまく働かず
熱中症になってしまうリスクも高まります。

練習前は必ず体調を確認し、少しでも体調がすぐれないときは無理に練習はせずしっかり体を休めましょう。

6. クラブとしての熱中症への対応や対策

近年では異常な暑さの日が多いため、熱中症に関する様々な指標が発表されています。
クラブでは、熱中症予防運動指針やYahoo! 天気の熱中症情報などを参考に開講判断を行います。

それらの指針などに応じて、対策を講じたうえでの実施開講時間の変更など開講スケジュールを確定させています。

また、クラブとしては以下のような対策をとって練習を実施しております。

・十分な休憩時間の確保

・練習時間の変更

・日陰での練習の実施

・氷や熱さまシート、OS1などの準備

7. まとめ

熱中症には以下の4つのタイプがあります。

・熱失神

・熱けいれん

・熱疲労

・熱射病

中でも熱射病は命の危険もあるため注意が必要です。
タイプによって現れる症状が違うため、それぞれにあった適切な予防方法を実施することが重要です。

また、練習前には体調チェックを行ったり、スマートフォンなどでその日の気温や熱中症に関する情報を収集することもとても大切です。

しばらく暑い日が続きますが、適切な熱中症対策を実施して
より良い練習が行えるようにしましょう!